目に見えない微生物の働きです。
微生物は1ミリの1000分の1、つまり1ミクロンあるいはO.1ミクロンという小さなものです。
あまりに小さいので集団で大きな仕事をします。
納豆の中には1グラム当りに約20億個はいると言われています。
ぬか味噌でも1グラム当りに約15億個はいると言われています。
こうした微生物は大きく分けて2つに分けて考えられます。
1つは善玉菌で発酵菌、つまり発酵微生物です。
そしてもう1つの悪玉菌は食べ物を腐らせてしまう腐販菌と炭そ菌、結核菌、梅毒菌など病気を引き起こす病原菌です。
善玉菌、つまり微生物が人間の為にいい事をしてくれることを「発酵」と呼んでいるのです。
☆発酵と腐敗の連い☆
牛乳をコップに入れておくと24時間で臭くなり「これほもうダメだ」と感じます。
これは空気中から腐敗菌が入ってきて牛乳を腐らせるからです。
腐らせるというのは、臭いが悪くなるだけでなく、そこに菌が入ってきて恐ろしい毒素を作ります。
0-157などがそれです。
ところが同じ牛乳でも乳酸菌と言う発酵菌を意識的に入れてみますと、38~40度ぐらいの温度にしておくと翌日には美味しいヨーグルトになっています。
同じように牛乳を乳酸菌で発酵させてチーズを作ることも出来、トルコのクルド人の住む山の中では約170年前のチーズもあるそうです。
納豆も煮た豆をただ置いておけば、翌日には腐って匂いがきつくなりますが、納豆菌を植えると糸を引いておいしくなります。
また、他にも熟詣(なれずし)というのもあり、鮒能(ふなずし)秋刀魚の熟詣もあり、全てご飯と一緒に発酵きせた物です。
和歌山県の神宮市には30年ものの秋刀魚の熟詣(なれずし)を今も売っているお店があります。
つまり発酵すると腐敗菌を寄せ付けなくなり腐らなくなるのです。
だから発酵したものを顔や皮膚に塗れるように仕上げると老化の進行を抗なえる(妨げる)事が出来るのです。
☆発酵したものの特長は?☆
第1に保存が出来ます。
なぜ発酵すると腐敗菌が付かなくなり腐らないのかというと例えばヨーグルトの 場合、乳酸菌によって乳酸と言う酸が出ます。
乳酸はPHが低くその領域では生きられない腐敗菌や雑菌は入ってこられないのです。
つまり乳酸その物が抗菌性を持っているので腐らないのです。
また、腐敗菌と発酵菌では発酵菌の方がはるかに強いので発酵菌のあるところに腐敗菌は中々入ってこれないのです。
冷蔵庫の無い約6000年前から中央アジアで人々は発酵食品の保存性を発見したのです。
第2の特徴は発酵物の栄養を高めます。
蒸した米にコウジ菌を増殖させた米コウジをお湯に入れてコタツの中に入れておくと翌日には甘酒が出来ます。
あの甘味は100%ブドウ糖です。
ビタミンB1・B2・B6・パントテン酸・イノシトール・ピオチンなどを含む、人間が生きてゆく為の総合ビタミンドリンクです。
病暁で行なう点滴と同じ効果があるのです。
つまり点滴はブドウ糖溶液とビタミン溶液とアミノ酸溶液を血管に迭り込むものなのです。
江戸時代にも甘酒屋さんが真夏になるとたくさん出てきて、夏ばて防止の栄養ドリンクとして飲んでいたのです。
第3の特徴はなんといっても独特の「匂い」です。
納豆やくさやはまだいいほうで、スウェーデンのシュール・ストレンミングという魚の缶詰がトップで2位が韓国のホンオ・フェという食べ物です。
何故臭いかと言うと微生物が牛乳・米・大豆といった物質を食べていくときに我々と同じ様に食べたら大便を出すのと同じ様に考えられています。
日本にはカビをも使った発酵食品が味噌・醤油・米酢・鰹節など10種類以上はありますが、ヨーロッパではカマンベールチーズとブルーチーズぐらいです。
東南アジア方面では湿気が多いのでカビを使った発酵食品が多いわけです。